【解説】デザイナーの仕事がつらいと感じる7つの理由

デザイン

グラフィックデザイナーやWEBデザイナーとしてクリエイティブな仕事をしている人の中には「つらい」「苦しい」「理不尽すぎる…」などとストレスを感じながら日々会社に向かっている人も多いのではないでしょうか。

給料が安い、デザインができない、上司がうざいなど理不尽な環境の中にいては大好きだったはずのデザインの仕事がつらいと感じてしまうのも無理はありません。

誰しもデザイナーの仕事がつらく感じる時がある

かつて、わたくしヤマケンも職を転々としてきました。

広告代理店→出版社→デザインプロダクションという転職遍歴です。ちなみに広告代理店と一括りにしておりますが実は広告代理店を3社ほど渡り歩いているので、合計で5社くらいを転職してきました。

転職理由といえば、給与面や人間関係など様々な理由がありますが、その都度悩み苦しみつらい思いをしてきました。

デザイナー仕事がつらいと感じる7つの理由

デザイナーの仕事で何がつらいかといえば

  1. 残業・休日出社が多い(ブラック企業)
  2. 給与が安い
  3. 将来が不安
  4. 人間関係(上司・同僚・部下)の悩み
  5. 自分の好きなものをデザインできない
  6. デザインのアイデアが浮かばない
  7. デザインへのモチベーションがわかない

といったことではないでしょうか。

残業・休日出社が多い(ブラック企業)

これはそもそも論外といいますか、早めに転職した方が良いかもしれません。

自分も広告代理店時代に毎日終電+土日出社で時間外労働148時間という、ほぼ奴隷の生活を送った時期があり、思考停止して働いていましたが体から限界のシグナルを感じて即辞職という選択をしました。

今考えても、早めに辞職を判断してよかったと思っています。ただ、転職のメドを立てずに辞めたため次の仕事を見つけるまでけっこう時間がかかりました。

給与が安い

割とデザイン業界は「やりがい搾取」の側面があります。

特にエンターテイメントやファッションなど華やかな業態のデザインであるほど薄給のデザイン会社も多く見受けられます。

特殊なスキルを必要とする建築系やプロダクト系などは高給を提示しているところもありますが「PhotoshopとIllustratorが使えればOK」というような、スキルが高くなくてもできるようなデザイン仕事は薄給になりがちです。

給与が安いと生活レベルも低くせざるを得ませんし、そうなるとデザイン仕事へのモチベーションも下がってしまいます。

将来が不安

デザインの仕事をしていると将来に不安を感じることがあると思います。

会社を見渡してみると10代、20代、30代の人はいるけど40代から極端に少なくなり50代60代の人を見かける事が全くない!?なんてことありませんか?

彼ら彼女らは一体どこに行ってしまったのでしょうか?独立したり、別の業種についた人もいるでしょうが、デザイナーとしての将来(50〜60歳くらいの自分)を想像できない環境というのはとても不安になります。

つまり会社にずっといられるものなのか、会社をでなければならないのか、そのくらいの年代では稼ぎはどれくらいになっているか、など確かな情報がないため不安に感じます。

人間関係(上司・同僚・部下)の悩み

デザイン会社の人間関係で多いのは上司のパワハラではないでしょうか?知識や経験に長け、立場的にも優位な人間は自分が相手よりも優れていると思い込み、ときに横暴になりがちです。

デザイン案をいくら提案しても却下される、提案したものについて罵詈雑言をはかれる、何も教えてくれない、言っていることが矛盾している、理不尽、息が臭い(笑)など。

自分の好きなものをデザインできない

そもそも自分のやりたいことを取り扱っていない会社であれば、そこを選んで入社したあなたの責任ですが、求人募集に書かれていたり面接で受けた説明と違う仕事内容だった、ということであればそれは大変苦痛です。

もちろん興味のなかった分野から得られることも多々ありますが、そもそも目指しているもの・やりたいデザインが出来ない環境ということは目標に向かうためには大きなタイムロスとなります。

デザインのアイデアが浮かばない

小さなデザイン会社であれば自分一人だけがデザイナーであるということもよくあります。そうした場合、自分一人で考えて提案しなければならないのでアイデアが枯渇しがちです。

逆に大きなデザイン会社は新規案件ごとに社内プレゼンテーションなどがあり、常にいくつもの案件に対して何案も考え続けなければならないので、プレッシャーを感じてしまいます。

誰しもスランプに陥る時もあり、デザイン案が全く浮かばないけど時間だけは過ぎていくという状況を日々繰り返すと、デザインを仕事にすることが大変ストレスに感じてしまいます。

転職に備える

上記のような環境にいる場合「転職の準備をする」ことが大切です。

もちろん、入社してまだ一ヶ月も経っていなかったり、自己都合なだけであれば少し様子を見た方が良いですが、耐えがたい状況で精神的にも疲弊しているのであれば速やかに転職の準備をしましょう。

転職への備えがあれば心が落ち着く

辛い状況であってもコツコツと転職の準備をすると

  • どうせここはもう辞めるから気にするのはよそう
  • この会社のダメなところを分析して次の職探しに活かそう

など、自分を追い込んでいた精神的ストレスから解放され、前向きな方向へと思考を変えることもできます。

しかし、次の転職を成功させるための下準備を入念にしなければなりません。

転職のタイミング

自分も転職を繰り返しましたが、タイミングを間違えると辞職後かなりきつくなります。

欲を言えば次の会社が決まった状態で転職するのがベストですがそれはなかなか難しいかもしれません。転職のタイミングとしては、

  • 今の会社で学べる事をすべて得た時
  • 自分のスキルが転職するレベルに到達した時
  • 次への道筋が立てられた時
  • ある程度の金銭的な蓄えができた時

などでしょう。もちろん精神的に限界で、体も悲鳴をあげている状況であれば上記のようなタイミングに達する前にすぐ辞めてしまう方が健全です。

転職するために必要なスキル

例えば、グラフィックデザイナーやWebデザイナーの転職においてPhotoshop、Ilustrator、Indesign、Dreamweaverを使えるのは当たり前なので、重宝されるスキルではありません

加えて、今までいた会社でこなした業務によって特定のジャンルに特化したデザイン知識はあるでしょうが、それでもまだ転職においては盤石なものとは言い難いです。重宝されるのは目に見えて価値を感じられるスキル、例えば

  • 写真の知識や技術がある
  • 映像の知識や技術がある
  • 3Dができる
  • プログラミングができる

などです。これらは会社にとって仕事の幅が広がりますし、自社の強みとなるものだからです。しかし、これらは一朝一夕で得られるスキルはないですし少し難易度が高いですね。

オススメするのは「マーケティングのスキル」です。

企業にとって何かを売ったりサービスを提供したり宣伝したりすることがほとんどの事業ですので「売る」ことを心得ている人材は非常に魅力的です。

そして、これはとても低いハードルで実現が可能です。

  • SNSで情報を発信している(フォロワーが多ければベスト)
  • ブログを書いている(記事数が多ければベスト)
  • 自分のHPを持っている(ポートフォリオの数が多ければベスト)

などです。具体的に「売り上げを○%伸ばした」とか「商品を○個売った」などの実績を伝えることもありかもしれませんが、それらは会社にとって確認しようがありません。

しかし、SNSやブログ、HPなどは誰の目にも見えるアウトプットの成果ですので、「自分」という商品をいかにマーケティングできているかを判断する指針になるはずです。

転職の下準備

SNSやブログ、HPの制作以外に確実なセカンドスキルを身に付けたい方には以下のスクールをオススメします。

転職に備えたセカンドスキルを身に付けるなら

いざ、転職のタイミングを迎えた場合は転職サイトで自分にあった仕事を探しましょう。

転職サイトを日々チェックしておく

自分で退職を言い出せない、辞めづらい人は

フリーランスになるのは?

先日以下のようなつぶやきを見かけました。

これには完全に同意します。

会社は売り上げを伸ばすために、できる限り無駄のない仕事の流れを構築しています。例えば、

  • デザインの相場
  • データの管理の仕方
  • スケジュールのたて方(受注から納品まで)
  • 顧客とのやり取り(打ち合わせ、メール、会食など)
  • トラブルへの対処
  • 外注(イラストレーター、フォトグラファー、印刷所など)とのやり取り
  • データ作成・入稿のルール・二次使用などの規範
  • ソフトの扱い・テクニック・合理化

など挙げればキリがありませんが、いきなりフリーランスでこれをゼロから自分一人で構築していくのは非常に時間もかかりますし独学では誤りも多いでしょう。

会社の場合はこれらを無数に経験し合理化したマニュアルがありますので、それらの重要な知識をショートカットで得ることができます

一番は「経験豊富なデザイナーの意見を聞ける(技術、将来、哲学的なことまで)」ということが何よりも大きいです。このデザイナーなこういう考えで今の会社に所属して、今後どうするかなど、フリーランスでは得られないような情報を得ることは貴重な資産となるでしょう。

フリーランスになるつもりなら経営者を観察すべし

もし将来フリーランスを目指しているのであれば、デザイナーと同じくらい経営者について観察した方が良いです。

フリーランスデザイナーは「デザイナー」である以上に、「経営者」としての側面が多いです。お金のことや営業、事業のことなど良くも悪くも経営者を観察しておくことが将来自分の役に立つことでしょう。